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29年の月日

Lavita

1993年の1月に29歳で始めて59歳になりました。

という事で来年の1月11日でlavitaは30周年になります。本当はフェリーニの映画にちなんでLa DolceVitaにしたかったのですが、まだその時代はイタリア料理も一般的ではなく、あんまり長いと覚えてもらえないよ!という先輩のアドバイスから、短くLAVITAにしました。

今振り返ると、まさに人生であり生活です。家にいるよりも長い時間をこの場所で過ごしてますから、僕にとっては人生でありそれは毎日の生活でした。

沢山の方のデートに使って頂き、不倫的(笑)に使って頂き、同伴に使って頂き、家族の記念日に使って頂き、会社の接待で使って頂き、色んな場面でご利用いただきました。

常連様がお亡くなりになってしまい、店でその訃報をほかのお客様からお伺いしたりした事も何度も何度もあります。店とお客様のお付き合いですから、ご葬儀のお知らせは僕に届かない事は普通ですが、あとで風の噂で耳に入ります。

若い時には仕方ないと思っていたそんな事が、もちろん今でも仕方ないのですが、より自分の人生とも重なり、なんともリアルに感じてしまいます。

うちの店にはそんなお客様から形見のように頂いたものもいくつかあり、人生だなあと思います。

一番長いお客様で4世代に渡るお客様家族がいらっしゃいます。4代目はまだ小さなお子様ですので、流石に5代目までは僕が無理そうです。(笑)

人影まばらな裏通りにポツンとついている自分の店の灯りがなんかとっても好きでしたね。

人が集まりワイワイ出来ているトラットリアの雰囲気が大好きで始めたこのお店、このエリアの再開発に伴い、ちょっと先行きは不安定になってきました。

とは言ってもそもそも人間なんて、生きている事がかなり不安定の中にいるわけですので、若い時みたいにがむしゃらにという風には行きませんが、ケサラ!という感じで大きな流れはなるようにしかなりません。

コロナで失われてしまったこの3年ですが、まだまだ前を向いて、皆様が、そして僕たちも素敵な時間が過ごせる空間でありますように頑張りたいと思います。

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