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マリアルイージャ

Lavita

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昨年の秋リグーリアのルチナスコという田舎の村の料理上手のマリアルイージャという女性を紹介してもらい、なんにもない村に2泊3日したのですが、結局彼女の家で夜昼夜昼と4食もごちそうになってしまい、ご主人には野菜畑や、キノコ狩りにも連れて行ってもらいました。

料理好きの彼女が作る数々の伝統的な家庭料理。旅立ちの最後の日のお昼にどうしても僕に食べさせたいと言って、僕の出発の時間を遅らせてまで出してくれたのが、「ブランダクイユン」という、日本で言うとたらじゃが。

素朴極まりない味と調理方法だけど、彼女の家族たちはマリアルイージャがこの料理を作るというので、容器を持って駆け付けて、持ち帰ってました。

なので僕の中ではとても大切に作り続けている一皿です。

家族への愛を背負っているこの一見なんてことのない料理。そういうイタリアの郷土料理は大好きです。

日本に帰国する直前、インターネットをやっていない彼女なので、ミラノの空港から電話を入れたのですが、イタリア語の素晴らしい響きとその音も相まって、心の奥底に響いてくる言葉。

「YUJI扉はいつでも開けておくからね、いつでも君のために空けておくから、いつでも帰ってきていいんだよ。」初対面だった僕に、もちろん社交辞令を言う必要のない彼女にそう言ってもらって、空港で思わず泣けてしまったのは恥ずかしいのですが、でもそんな風に言ってくれた彼女のためにも、きちんとその時の料理を作り続けたいと思っています。

またいつかがあるかどうかはわからないけど、でもまた会える日まで元気でいてね、マリアルイージャ!!

 

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