僕たちは毎日普通に1日何度か食事をしています。
僕なんかは食を仕事にしていて、イタリアの郷土料理などをそれなりにこだわりを持って作っています。
帰り際美味しかったですって言ってもらえて、そんな思いが伝わった時にはとてもうれしいものです。
私事ですが、7月の終わりに母が救急搬送され、点滴を打ちながら意識もあったりなかったりの10日間を過ごし、家からも含めると口から食事を取らなくなって13日目の昼食に入院後初めて固形物が出され、お粥と八宝菜のペースト、かぼちゃのペーストを目の前にすると、母は自分でスプーンを持ってあっという間に完食してしまいました。
何度も何度も美味しいね美味しいねって言いながら。
高齢な事もありそのまま一気に回復とは行かず、その後は食事とれない日もあるのですが、口から食事をちゃんととれると言う普通に感じていることが、どんなに素晴らしいことかを、知る事が出来ました。
いくつになっても母から学ぶ事はあるという事ですかね。
僕ももちろん体が言う事を聞く限りこれからもこの仕事を続けて行きますが、食べたくても口から食べられない人もいると言う事を心に置いて、食べたいものを食べられるのは幸せなんだと言う事を自分にも言い聞かせながら、生きるという事の意味もきちんと踏まえて、これからもちやんとしたものを作って行きたいし、行かなければいけないと思っています。
若かりし頃の母の写真を添えて。